カマユラ族
成女儀礼の仮面「水の精霊」と過ごした夏
”自由に”
”自由に”
手を動かすさなか何度も聴こえてくる
変容しながら循環する水の姿が思い浮かぶ
何者でもない
何者にもなれる
何処にでもいて
何処の枠にもとどまらず
たえず変容し流動する
生命は変容する
女も変容する
野のからむしが螺旋を描き糸になり
ときに柘榴(ざくろ)の色に染まりつつ
織機にかかる糸を上へ下へと
層をなす次元を行き来する
生命の循環を辿りながら
水霊(みだま)さんの誕生に立ち会った
1.
H:85mm × W:150mm × D:55mm
2.
H:90mm × W:150mm × D:80mm
3.
H:90mm × W:140mm × D:60mm
4.
H:330mm × W:60mm × D:70mm
5.
H:670mm × W:190mm × D:70mm
榊 智子さんの対象物|仮面(カマユラ族 / ブラジル・マッドグロッソ州)
カマユラはシングー川の最上地区に住む部族。ヤシの葉で作られた仮面は水の精を表現。シャーマンが儀式の際に身につける。
榊 智子
宇宙に内在する根源的な生命のリズムの中で自己を内観し、自然と対話する過程から榊の彫刻は生まれる。儀礼祭祀など、人々の日常生活に宿る、祈りにまつわる精神世界を旅する中で、自然崇拝の祈祷師家系である自身のルーツへとたどり着く。さらにアニミズムにもとづく神秘的で道徳的な秩序も混ざり合ってゆく。ただ無心に光を編む純粋な創作の末に現れる、物体を超えたその存在は、形而上学的霊性の発露を伴う作品群とも称される。また新たな試みとして、誰かを想い、繋がり、手を動かして生まれたものを、返礼を求めず届けるという”純粋な自然の贈与”の循環を増幅させる実践も静々とはじめている。