ファッションのこと。徒然に/岩田和子

第11回 身体をとりまく空間2

岩田和子
大学在学時よりセレクトショップに勤務。
一時OLになるも再びアパレル業界へ。
真摯なものづくりに多くの共感を呼ぶ国内ブランドでのショップスタッフ、
プレスを経て現在FORのプレス。
1児の母。

ファッションを通して出会う笑顔や心躍る感動をお伝えしていきす。

第11回 身体をとりまく空間2(2011.06.14)

随分と日が経ってしまいました。
ペリパーソナルスペースについて書きたいと思ってから、
本当に随分と日が経ってしまいました。

時はめぐり、はからずも、書きたかった内容にぴったりの季節を迎えてしまいました。
身体に沿う服は、自分をあらわにしているようで落ち着かない。
大仰な服は、自分を誇張しているようで落ち着かない。
目立つことや注目されることなど苦手で、 けれどもまったく見放されるのも淋しいもので、
派手ではないけれど、個性的なデザインを好んできたのは 心のあらわれなのでしょう。

装いは私自身の社会との関わり、あり様にも通じているな、とは
ペリパーソナルスペースという言葉を知って、改めて感じたことで、
服というものを通しての無意識の現われと思うと、とても興味深い。

そんな自分にとって、帽子はただ憧れのものでした。
つばの広い帽子を被った自分を想像するたびに、
いつも肥大した、大仰なイメージがわきあがってくるのでした。
特にこの数年、本当に気軽に帽子を楽しむ若人が増え、 また、周りにも素敵に帽子を被る友人、
知人が増え、 憧れはいっそう募る一方で どうしても手を出すことができずにいました。
とてもおかしな感覚ではありました。

ペリパーソナルスペースによって、脳の働きと関係のあることがわかり、
長年持ったそのイメージにようやく合点がいきました。
ほんの数センチのつばであっても、頭をぐるり取り巻くことで
自己という認識はそれなりに大きく揺さぶられるのだと。

けれども、昨年の暴力的な日差しの下にはどうしても帽子が必要になりました。
一昨年に娘がいただいた麦わら帽子に似た、 黒いリボンがついた、
メンズライクなしっかりとした麦わら帽子。
ようやく手に入れた帽子を被ってみると、 それまでの装いに新たなバランスが生まれました。
帽子が作り出すボリュームに応じた、ボリュームのあるコーディネートや
ボトムとトップスのアンバランスな組み合わせ、 恐ろしくシンプルで退屈な装い。
どれも今までの自分であれば躊躇していたものを すっと受け入れられるようになる感覚は、
新たな楽しみをもたらしてくれました。

肥大したイメージは、時と共に次第に感じなくなりました。
心と身体は強い結びつきを持っています。
その結びつきを思えば、身体を取り巻く服という存在が
心にも影響をもたらすことは想像にた易いこと。
とは言え、日頃忘れがちな心と身体の結びつき。
誰もが少なからず、些細だとしても その由来がなぜだかはわからないとしても
抱える何らかのコンプレックスを 時に服は、覆い隠してくれ、
また、時にはそれを解消する可能性を秘めていることを
小さな感動と共に知ることができました。

さて、そんな心に素敵な喜びがもたらされそうな企画展のお知らせです。

スタイリスト鍵山奈美さんが、ロンドン・パリ・南仏で見つけた古いお花たちを
ラ・フルールの岡野奈尾美さんが染め直したり、作り変えたり。。。
新たな息吹を吹き込みました。
雑貨や帽子、古着と共に恵比寿“lim Art”にて展示販売いたします。

また、ラ・フルールのコサージュワークショップと鍵山さんのプチ蚤の市が 吉祥寺

お茶とお菓子 横尾”
にて行われます。

“in a garden green and gay 2” 6/24 Fri. – 6/26 Sun. 12:00 – 20:00 “lim Art”
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1F
tel. 03-3713-8670
www.limart.net workshop & petit garden
7/1 Fri. – 7/3 Sun. 12:00 – 20:00

お茶とお菓子 横尾” 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-18-7
ワークショップのお申し込み、お問合せは
ラ・フルールへお願いいたします。
どうぞみなさん、お友達、恋人、お子さん、お誘い合わせていらしてください。
美しいもの 丁寧につくられたもの それらはきっと、たくさんの喜びをもたらしてくれることと思います。

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